【ワイルドファイター】スアのプロフィール【ワイファイ/ブラサバ/エタリタ/エターナルリターン】

名前

クォン・スア

コード番号

17M-RFT33

国家

韓国

年齢

28

職業

司書

身体(身長)

159cm

 

・詳細情報

いつも笑みを顔に浮かべながら、本をすすめてくる司書。記憶力が尋常ではなく、本の位置や配列、書いてある内容とページ数を全て暗記しているため、本を陳列する速度が異常に速い。常に本を読んでおり、本に関する話を始めれば、目が輝きだし、話は尽きない。一番好きなジャンルは、童話。子供たちに読み聞かせをしているとき、幸福感を感じる。いつか子どもたちのための図書館を作るのが彼女の夢である。

 

明るく楽天的な性格ではあるが、とあるトラウマによって、脆弱な面がある。写真のごとく全てを暗記してしまうその記憶量は、彼女にとって祝福でもあり、呪いでもあった。

 

 

・ルミアのレポート

17M-RFT33(スア)は人と接する際は常に笑っています。基本的に、いかなる人にも友好的な態度をとっています。サバイバルでは不利な性格であるように思われますが、意外と、生存率は高い方でした。状況把握がおぼつかない状態で、優しげに言葉をかける彼女に戦意を喪失してしまった実験体たちも多かったのではないかと思います。

 

17M-RFT33(スア)が所属していた同盟の雰囲気は和気藹々としていました。喧嘩が起こっても、すぐに仲直りできました。そんな同盟の雰囲気は、彼女がいたからこそでした。自然はよく弱肉強食の世界だと言われますが、そんな原理に反する行動を生存戦略として採用する生物たちも中にはいるものです。

 

17M-RFT33(スア)をめぐる状況は、まさにそれなのではないかと思われますね。

 

そういえば、司書という職業に忠実だからか、いつ死ぬから分からない状況でも(※1)、本を捨てようとはしませんでした。本を紛失してしまったときは、お菓子屋や(※1)生活用品の包装に記されていた成分分析票を読んでいましたよね。他の実験体にも時々、本を勧めていましたね。時には、読み聞かせまでしていました。いつも本のことを話していたので、ついていけなくなって彼女のもとを去った実験体たちも少なくありませんでしたが。

 

※1……原文ママ

 

 

・アグライアのファイル

スアは平凡な家庭で、幸せに暮らしていました。周囲から十分な愛情と関心を受けて、育ちました。そして彼女は、そのようにして与えられた愛情と関心を、今度は他の人に施せる成人となったのです。

 

スアは心から、利他的な行為がみんなを幸せにする最たる方法だと信じていました。だから、他の人から何かを任されば、断ることなく熱心に行動しました。その日も彼女は、殺人に関する本をおすすめしてほしいという、怪しい人物に対して親切を施していました。正直、あまり好きにはなれない内容で、読むことすら苦痛である本も時々あるのですが、司書としての仕事を完璧にこなすため、そういった本にも目を通していたのです。映画のシナリオを執筆するために、参考文献が必要だという大学生のことを心から助けたかったわけです。

 

しかし、彼女の善意は残酷な結果をもたらしたのでした。その大学生はスアが進めた本を熟読し、模範犯罪を起こしたのです。容疑者は、殺人の方法を知るために、図書館に入り浸っていたそうです。さらにスアに対して、自分の犯罪現場の写真を送りよこしてきました。「おかげさまで。ありがとう」というメッセージを添えて、それからしばらく、スアは精神的な問題で休職せざるを得ませんでした。彼女の頭の中では、犯罪現場の様子が本の内容と結びつき、フラッシュバックされ続けたのでした。自分の考えが足りず、起こってしまった悲劇だという罪悪感もスアのことを苦しめました。

 

今となってはすっかり忘れたふりをしていますが、実際はどうだかわかりません。悪い記憶は突然、フラッシュバックし、人を苦しめるものですから。

 

 

・エレボスのデータ

休憩室の後ろに、本棚という名前の倉庫があったじゃないですか。誰も管理してなかったから、本が雑多に積み上げられていただけだったんですが、スアさんが来てからはきちんとした図書室になったんです。今ある本のリストアップはもちろん、本ごとに分類番号をつけ、整理して並べ直すことまで彼女一人で全部やっていましたからね。貸出記録簿を作り管理していましたから、熟練した司書だなあと感心していました。

 

図書リストや貸し出し記録簿は全て、手書きではありましたが…。機械はあまり得意ではないようですね。コンピューターやタブレットで管理すればもっと楽なんじゃないかと聞いてみたこともありますが、紙を触っていないと落ち着かないと言っていました。時間があるときに、バックアップ用のファイルを作って差し上げなきゃいけませんね。あっ、別に気に入られるためじゃなくて、本棚の管理をしてくれたから感謝の印としてやろうと思っているだけです。誤解しないでください。私も本、大好きなんですから。

 

 

・個人の記録

20××年××月××日

 

図書館によくいらっしゃる方が、タブレット型端末に図書リストと図書貸出簿のバックアップファイルを作ってくださいました。ファイルで管理すれば楽だっておっしゃっていましたが、これをきっかけに機械に慣れてみるのもいいかもしれませんね。私のことを手伝おうとしてくれているその気持ちを、大切にしないと。

 

ここにいる方はみんな、仕事がお忙しいのか、あまり本を読みにはいらっしゃいません。読むにしても漫画とか、雑誌のような、比較的楽に読める本が選ばれがちですね。どこかで「読書は本能に反するものだ」という言葉を耳にしたことがあります。人間が野生に住んでいたころは、常に周りを警戒しなくてはなりませんでした。しかし、読書は活字に集中する行為なので、それは本能に反しているというわけです。だから読書は、慣習となるよう努力する必要があるそうです。おそらくここにいる方々は、緊張状態をキープしながら、周囲を警戒することをたくさんやってきたから、読書に興味を持てないのかもしれません。

 

実は私も、読書がしんどいことがあります。本を読んでいると、時々、色々な考えが頭の中で交錯するんですよね。いろいろな思い出が蘇ってきて、時には頭の中がいっぱいになっちゃいます。そうなったら本を閉じて、活字が目に入らないようにするんです。一人、頭の中でたくさんの記憶と戦いながら、また本に集中できるよう努力するんです。

 

島には長い間いたとは思うのですが、おかしなことに、あまり記憶がありません。記憶することには自信があったはずなんですが。しかし、なぜか残像のように思い浮かぶ光景はありはするんです。そしてその光景は、もし鮮明とした記憶として残ったとしたら、自分を大いに苦しめたのではないかと思います。忘却というのは、祝福なのでしょうか?

 

全てのことを忘れられたら、楽になれるかもしれませんね。しかし、楽しい思い出も全部、消えちゃうだろうから…。やはり、記憶の重さを耐え抜くこと、それが成熟した大人の姿勢と言えるでしょうね。また考えで頭がいっぱいになってきてしまいました。今日の日記はここまで。