名前 |
アピチャヤ・チャイパタマ |
コード番号 |
20M-RFT45 |
国家 |
タイ |
年齢 |
17 |
職業 |
高校生 |
身体(身長) |
149cm |
・詳細情報
自分のことをヴァンパイアだと思っており、他人にも自分のことをそう紹介する。太陽光を浴びると死ぬといい、日傘を差している。ゴシックスタイルのメイド服を着ており、あたかも貴族のような話し方をする。初対面の人にはぞんざいな扱いをし、時には、あれこれ命令する。多くの人は彼女がふざけているかのように思っているのだが、実際、彼女は血を口にしなければ、気力を失い死んでしまう体質なのである。5歳の時から体が弱かった彼女は、14歳になった時、たまたま吸血というものをしてみたのだが、血によって気力の回復を感じたそうだ。
彼女の能力には、血液と関係がある。相手の出血を悪化させることもできるし、すぐに止血することもできる。血液内の成分をコントロールするなど、血液を武器のように扱うことを得意とする。
体が弱いため、動くことが好きではないが、コンディションがよくても、あまり動かないという。
・ルミアのレポート
20M-RFT45(ビアンカ)は自分をヴァンパイア、その中でも「神祖」(※1)を名乗りました。そんな彼女の言葉を真面目に聞く人はほとんどいません。もちろん、ヴァンパイア伝説を知っていた16M-RFT24(アルダ)と、自分を本当のヴァンパイア・ロードだと思い怪物をやっつけてやるという気持ちで向かっていった16M-RFT21(キアラ)は違いました。前者は、話題にして楽しむくらいでしたが、後者とは、激しい追撃戦が展開されました。刃物を持って追いかけてくる16M-RFT21(キアラ)から逃れるため、20M-RFT45(ビアンカ)は日傘を捨てて、逃げたんです。
何しろ、悪ふざけが好きなので、誰かと親しくなりたくなるとちょっかいを出してしまうんです。20M-RFT45(ビアンカ)と同盟関係を結んでいた16M-RFT22(ハート)に「歌手の値は飲んだことが無い。どんな味がするのかなんてことを言ったことがあります。彼女が敵に向かって吸血する姿を目撃した16M-RFT22(ハート)は、それを本気ととらえたのか、顔を真っ青にして逃げていきました。裁縫をしていて指先を切った18M-RFT34(マイ)には「止血してあげる」と言いつつ彼女に近づいたのですが、「でも、血のいい香りがする。迷っちゃうわ」なんていうことを言ったのです。びっくりした18M-RFT(マイ)は、その手を払いのけて逃げていきました。それ以外にも、墓に捨てられていた棺に隠れて、14M-RFT08(JP)のことを驚かして気絶させたこともありました。
もともと島に来る前は、二番目のお兄さんによくちょっかいを出していたそうです。彼女のちょっかいは、一種の愛情表現なのかもしれません。
あっ、大事なことを一つ言い忘れました。この実験体は長い間太陽光に当たると、貧血症状を起こします。日傘が無ければ、昼間の移動は難しいくらいです。日傘の有無、また天気によって大きくデータが変化する実験体でもありますので、データを分析する際にはこの点に注意する必要があります。
※1……エタリタのビアンカのRスキルの名前は「真祖の君臨」で表記ゆれがある。
・アグライアのファイル
彼女の弱点は二番目の兄である「パイトゥーン」の存在でしょうか。彼女が島に自ら進んでやってきた理由にも、兄の存在がありましたからね。日の光を浴びると気を失ってしまうため、主に家の中で過ごす必要があったビアンカは、兄のパイトゥーンと一緒にオカルトの書籍を読んだりして時間を過ごしていたそうです。忙しい両親と、すでに家を出た一番上の兄とはあまり交流が無かった彼女にとって、パイトゥーンは一番大切な家族であり友人でした。
もちろん、パイトゥーンの方にも家の中で過ごさなくてはならない理由がありました。血友病を患っていた彼は、怪我をすると血が止まらず危険だったため、野外活動を自制する必要があったんです。
ある日、誕生日のビアンカのためにオウムの彫刻を準備していたパイトゥーンは、ふざけて、近づいてくる妹を驚かせようとした時、彫刻刀で手を切ってしまいました。びっくりしたビアンカは止血のために、お兄さんの手を舐めたのですが、驚いたことにパイトゥーンの血があっという間に止まってしまったのです。お兄さんの血を飲んだ彼女は突然、気力が生じ、肌が生き生きとし始めたんです。ついに兄妹はお互い無くてはならない存在となったのです。
しかしそんな関係は3年も続きませんでした。パイトゥーンの体はさらに虚弱になったにも関わらず、ビアンカが要求する血液はだんだん増えていったのです。
結局、ビアンカはこの悪循環を食い止めるため、アグライアと取引することにしました。実験に参加する代わりに、30個以上の血液パックを持ってきてくれと言ったのです。彼女はアグライアが持ってきてくれた血液パックを全て飲んでから、眠っているパイトゥーンの元に近寄り、能力を使用して彼の病気を治してやりました。そして静かにお別れの挨拶をしてから、ルミア島へと向かったのです。ビアンカは吸血が比較的、自由にできるルミア島の生活に満足していますが、二番目のお兄さんに会いたい気持ちを抑えることは難しいようです。
・エレボスのデータ
自分のことを「神祖」と称し奇行を繰り返したり、動くのが面倒だからと言って任務に積極的に参加しないのは、子どものわがままとして受け入れています。ご飯も食べず、クッキーばっかり食べているのを見て、ついつい怒ってしまいました。
しかし、やはり血液を確保するのは簡単なことではありませんね。合法的なルートでは限界があります。アグライアは一体、どうやってこれほどたくさんの血を取引したのでしょうか。血を飲まないと本当に死んでしまうので…。本当に頭の悪い問題ですね。
あっ、そういえば、ビアンカが置かれている状況をどうやって知ったのか分かりませんが、自分の血を入れた小さな便を置いていく人がいました。ビアンカに心当たりが無いか聞いたんですが、「私のしもべのうちの一人じゃないかしら」と言って、答えをはぐらかされました。きっと、知り合いなんでしょうね?
・個人の記録
やっぱり、こんな体質だから普通の人生は送れないとは覚悟してたけど…。本当に、その通りね。ここでは島にいた時みたいに、思う存分、吸血ができないから困っちゃう。もちろん、あの島の、殺さなければ殺されるっていう二択の状況は嫌だったけどね。
島の外に出てきたけれど、やっぱり家族にも会えないね。お兄ちゃんは元気かな?病気が治っていたとしてもあの性格だから、家で本を読んだり、ゲームをしてると思う…。それでも前よりは、活動的になってたらいいな。
エレボスは、自分が実験体になったからそういう体質になったんだって言ってた。だから、元の体に戻ったら、もう吸血の必要はないんだって。正直、信じられないけど、だからと言って聞き逃せる言葉でもなかった。もしそれが本当で、元に戻れるなら、もし虚弱体質だったとしてもまともな生活くらい送れそうじゃないの。
お兄ちゃんとも、以前みたいに遊べるだろうし。一体、それがいつになるかなんて分かりっこないけど…。その時まで、元気でいてね!私のこと、待っててくれるよね!?本当に会いたいよ、お兄ちゃん…。
あっ、そういえば、島でお兄ちゃんみたいに優しい人、会ったの。実は、ここにもその人がいるの。でも、喜んで近づいて行ったら、知らんぷりされちゃったの。親友のつもりだったのに!だけど、やっぱり優しかったから…。きっと、私の部屋の前に、自分の血の入った瓶をこっそり、置いてくれたんだよね?誰だかなんて、血の味ですぐ分かっちゃうのに。